楽天VTIか?eMAXIS Slimか?よりも大事な4つのこと
色々な人の投資ブログも好きで読んでいますが、最近は投資信託の低コスト化が進んでおり、楽天VTIやeMAXIS Slimシリーズ、たわらノーロードシリーズなど、個人投資家が選択する低コスト投資信託も増えてきましたね。
今回は、上記のような低コスト投資信託を比較する前に、忘れずに検討しておきたい項目について解説していきたいと思います。
先程例に挙げた投資信託はどれも低コストの素晴らしい投資信託です。しかし、正直なところトータル費用もそれ程大きな違いはなく、小数点2位の費用の数字までこだわって商品比較をするよりも先に、もっと重要な検討すべきことがあると考えています。
この記事を読むことで、具体的な金融商品を選択するための基準を持つことができるようになると思います。まず当記事での前提として、投資は一括投資ではなく、毎月の積立投資を10年以上の長期で行っていくことをご了承下さい。
早速ですが、検討すべき項目をまずは挙げさせていただきます。
- 楽天VTIやeMAXIS Slimで運用したお金はいつ、いくら必要になるか?
- 毎月楽天VTIやeMAXIS Slimの運用に回せるお金はいくら位か?
- 世界経済の成長ストーリーを自分なりに語れるか?
- 投資に関する「手間」をどう感じるか?
それでは、実際に一つずつ深掘りしていきます。
楽天VTIやeMAXIS Slimで運用したお金はいつ、いくら位必要になるか?
金融商品を先に決め、毎月の積立が可能な金額で積立投資を始めてみるというのもアリだと思いますが、資産運用で成果を出したいのであれば10年以上の長期投資をしていくのが安全策となります。
長期投資を行う場合、相場の乱高下や暴落も経験する前提に立つと、商品ありきで投資を始めるより目的ありきで投資を始めることがお勧めです。これには明確な理由があり、ほとんどの個人投資家は長期間積立を続けること自体が難しく、長期の投資期間中にも必ず訪れると思われる暴落で投げ売りしてしまう可能性が高いからです。
これは『ウォール街のランダムウォーカー』や『敗者のゲーム』といった書籍の中でも語られている事実です。暴落時に投げ売りしないために必要なのは、投資の目的に裏打ちされた意思です。
メンタルの強さと言われることもありますが、暴落では最大で50%程の株価下落リスクがあることを織り込んでおく事や、例えば20年間積立を継続して利回り6%で運用する計算で5,000万円の資産を作る!といった明確な目標があれば、何となく始めた投資よりも長期投資を継続できる可能性は高まると思います。
長期投資は期間が長くなるほど、複利で資産が大きくなる可能性も高まります。「いつ」「いくら」必要になるのかというところを具体化し、長期投資を続けられる可能性を上げていきましょう。
毎月楽天VTIやeMAXIS Slimの運用に回せるお金はいくら位か?
毎月の積立金額をいくら位に設定するのかというのも大きな問題です。副業からの収入を投資に回している方や収入が十分ある一部の方は良いとして、会社で働き給料を得ている方は無理のない金額で積立投資することを厳守していきましょう。
投資に回すお金は家計とは別に管理し、可能であれば銀行口座も分け切り離すのがお勧めです。というのも、相場が下がっていると追加投資してみたくなったりとヒトの感情は移ろうからです。
これも投資の面白さなのかもしれませんが、追加投資をするにも口座残高が上限となるように事前に投資用口座の残高を調整し、暴落時でも家計的にもメンタル的にも問題がないような仕組みを作ってしまうのがお勧めです。
毎月投資に回す適正な金額については、目標資産額や投資期間によっても変わりますのでケースバイケースですが、とりあえず少額から試しに始めてみたいという方は、つみたてNISAを使って低コストの投資信託を3万円くらい購入してみるのが良いでしょう。
早く資産形成をしたいからと無理に生活費を切り詰めて資金を捻出するようなハードな積立投資は経験上長く続かないためお勧めできません。あくまでも家計的にもメンタル的にも大きな相場変動があっても冷静でいられる金額を目安に、無理のない金額で投資を継続していきましょう。
世界経済の成長ストーリーを自分なりに語れるか?
こちらは、実際の投資対象を選定する上で是非とも考えておきたい項目です。全世界への分散投資や全米への分散投資など、様々な分散が効いた投資信託やETFが存在しています。
例えば米国ETFのVOOや、VOOを指標にしたり間接的に投資している投資信託を選ぶ場合は米国の主要大企業500社に投資することになりますし、米国ETFのVTやVTを指標にしたり間接的に投資している投資信託を選ぶ場合は、全世界の企業8,000社に投資することになります。
これについては、今後世の中がどのように発展していくのか?ということを自身に問い、ザックリとでも構わないので、自分なりに世界の成長ストーリーを考えてみるのがお勧めです。もちろん答えは誰にも分かりませんので、10年後や20年後に答え合わせをすることになります。
私は全米4,000社程に広く分散投資するVTIに楽天VTIを通して投資しています。これは私自身がある程度長期の米国の成長ストーリーを信じていて、他の新興国や新興国をポートフォリオに含まない方がトータルリターンが高くなると考えているからです。リスク分散の意味合いでも先進国や全世界を投資対象にする方がリスクヘッジになることは百も承知ですが、20年後に答え合わせするのが非常に楽しみです。
投資に関する「手間」をどう感じるか?
長期投資をしていくにあたり、「手間」は無視できない問題です。結論、投資にはなるべく手間や時間をかけたくないという方は投資信託の自動積立一択になります。
投資信託の自動積立は大手ネット証券3社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)いずれでも可能ですし、SBI証券は特定口座・一般口座・つみたてNISA口座含め毎日積立(毎営業日積立)にも対応しています。投資に関しては、なるべくストレスフリーで過ごしていきたい方は投資信託を積立てていきましょう。
一方で、投資が好きで自分で指値で売買したい方やドル円の為替相場をウォッチしながら円高の時にドルを仕入れてETFで運用することを楽しめる方はETFでの運用も検討対象に入ってきます。最近はSBI証券はじめ米国株の買付手数料が無料のネット証券会社も複数ありますので、好みでETFでの運用するのもアリです。
個人的には、米国ETFを積立てるなら住信SBIネット銀行とのコンボで米ドルの為替手数料が片道4銭になり、ETFの自動買付サービスもあるSBI証券がお勧めです。2020年2月現在では住信SBIネット銀行からSBI証券への米ドルの振替えが完全自動化できない点がネックではありますが、現状では総合的に考えても米国ETFを積立てるならば、最もメリットのある証券会社の一つだと思います。
まとめ
今回は、低コストの投資信託などの細かなコストの差を気にするより前に、もっと重要と思われる4つの項目を検討してみましょうというお話をさせていただきました。
長期投資は良い意味でも悪い意味でも退屈ですし、相場の乱高下もあると投資家は冷静でい続けるのは難しく、途中で投資自体を辞めてしまう人も多いです。
だからこそ、しっかりと最初に投資の目的を決め、長期投資を続けられる仕組みを作ってしまいましょうというご提案でした。
長期投資は続けていくこと自体が一番難しいとも言われますが、今回挙げた4つの項目に私自身も定期的に立ち返り、投資を継続していきたいと思います。
楽天VTIに関連する記事を一覧にまとめたページも用意しました。宜しければご参照いただければと思います。

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