楽天VT vs ウェルスナビ【運用成果や手間を比較】
タイトルの通りとなりますが、今回は楽天VTとウェルスナビの2つの人気の金融商品・サービスを実際に比較をしてみました。
この記事を読むことで、2つのサービスの違いや特徴を掴めるようになります。大まかな過去20年間のバックテストも行ってみましたので、ご参考にしてもらえましたら嬉しいです。
ウェルスナビの特徴
ウェルスナビの預かり資産残高が着々と増えているようです。預かり資産額も2019/12/23時点で2,000億円を超え、口座数も26万口座に達する人気のサービスとなっています。
ウェルスナビは何より手間がかからず、ユーザーのリスク許容度を5段階に分け、その段階によって組み込まれる株式や債券などのポートフォリオへの組み込み比率が変わる便利な仕様になっています。
その上なんと、ポートフォリオ内の各金融商品の価格変動に合わせ、定期的にリバランスまでしてくれるとの事。忙しいサラリーマンの方には非常にありがたいサービスですね。しかし、サービス開始当初から年率1%という点については高い安い含めて様々な意見があります。
今回は、なるべく手間をかけずに資産運用に取り組んでいきたいという忙しいサラリーマンの方を対象に、このウェルスナビと楽天VTのどちらに投資するのが最適なのか?という比較をしていきます。
楽天VTの特徴
ウェルスナビとを比較する金融商品として、楽天VTを選びました。その理由としては
- 楽天VTはポートフォリオ内に債券や金、不動産を含まないものの、株式については広く国際分散されている
- 投資の手間についても、ウェルスナビ同様ほとんどかからない
- 投資のバイブルとも言われているチャールズ・エリス著の『敗者のゲーム』によると、長期投資においては株式への投資が最も運用成績が良いと実証されている
上記の3点を考慮し、長期投資の比較を行うならウェルスナビの対抗馬にちょうど良いと判断したからです。
比較の前提として、なるべく近いポートフォリオで比較したいので、ウェルスナビのリスク許容度は5を想定しています。
楽天VTとウェルスナビを比較する上での前提条件
ウェルスナビのリスク許容度5と同じポートフォリオは上の図の通りとなっております。
それでは、まずは比較する上での前提条件を共有させていただきます。
- 比較する期間として1999年から2019年までの20年間の実際の過去データをもとに、1999年に両方の商品を10万円程購入し、その後毎月5万円程を積立ていくことを想定しています
- 米ドル表記のツールとなりますので、ドル円相場は1ドル=110円にて計算しています
- バックテストにはBacktest Portfolio Asset Allocationというツールを使用しています
- 半年毎にポートフォリオのリバランスを行います
- バックテストの比較対象として、ウェルスナビのリスク許容度5と全く同じ、ポートフォリオ1と本家VTを選定しています
以上を前提として比較をしてみたいと思います。
楽天VTとウェルスナビを過去20年間の実際の過去データで比較してみる
こちらの図のPortfolio1という青い線がウェルスナビのリスク許容度5のものと同じポートフォリオ、赤い線がVTとなっております。初期投資額約10万円、毎月約5万円を20年間積立てたバックテストの結果は、どちらも運用成績はほとんど変わらないように見えますが、VTの方が運用成績は少し良くなる結果でした。
Portfolio1は20年経過時点で資産額12,073,050円、VTの資産額は12,909,270円と20年間の積立投資の結果836,220円の差が生まれました。詳細な結果は下の図の通りになります。
しかし、お気付きの方も多いかと思いますがこのバックテストでは手数料や信託報酬といったコストを考慮していません。あくまでも純粋な運用成績だけを比較したものになりますので、コストについても考慮をした上で比較してみた方が現実的な比較となります。
ウェルスナビのコストは、手数料が年率1%+ETFの費用(リスク許容度5)が年率0.11%=1.11%となっています。長期割引という制度もあるようですが、年率0.01%〜0.02%程度とのことです。
楽天VTのコストは、楽天証券の公式HP(※)で確認すると信託報酬含め0.222%となっていますが、隠れコスト含め保守的に見積もって0.3%程度だと想定します。
コストを含めて2つを比較してみても、運用成績としてVTがウェルスナビを上回っていて、かつコストもVTの方が安くなっています。
あくまでも過去20年間での比較となりますので、今後の2つの商品の運用成績を決定づけるものではありませんが、比較対象期間内では運用成績もコストメリットでも楽天VTがウェルスナビを上回る結果になりました。
※参照:楽天証券公式HP
楽天VTとウェルスナビのリセッション耐性を比較してみる
コストを含めた運用成績でも楽天VTがウェルスナビを上回る結果となりましたが、ウェルスナビは債券もポートフォリオに含むなどリセッションに強い可能性があると考えました。こちらについても下の図を見ながら比較してみます。
こちらの図も先程と同じく、青い棒グラフのPortfolio1がウェルスナビ、赤い棒グラフがVTとなっています。2011年、2015年、2018年が年間のリターンとしてマイナスを記録している年です。
確かに、2015年こそ下げ幅も楽天VTが小さく優れた成績になっているものの、2011年と2018年に関してはウェルスナビが比較的下げ幅が狭く、リセッション耐性を発揮しています。今後リセッションの時期がしばらく続くのであれば、Portfolio1も魅力が高まりますね。
ただ、ウェルスナビは年間リターンがマイナスの年でも手数料負担1%が重く利回りにのしかかってきますので、どんな時でも冷静でいられるマインドは必須でしょう。
ウェルスナビと同様のポートフォリオは気に入ったが手数料1%を払いたくない場合、ウェルスナビと全く同じポートフォリオをSBI証券や楽天証券で買い付けて構築することはできますし、ランニングコストを抑えることも可能です。
しかし、管理にもそれなりの手間はかかりますので、ウェルスナビの1%程度の手数料を外注費として捉え、手間を省くかどうかは本人が何を重視するかと考え方次第かと思います。
楽天VTとウェルスナビの手間を比較してみる
手間については、楽天VTIもウェルスナビもほとんどかかりません。
私は楽天VTを2018年に、つみたてNISAで運用していた経験がありますし、ウェルスナビも2018年に実際に半年程使っていました。どちらのサービスも申し込み後はスマホからでも設定が可能ですし、最初だけ設定をする手間はそれなりにかかりますが、一度設定してしまえばリバランス含め自動でやってくれます。
日常の手間はどちらもそれ程かからないため、手間については両方の優劣の判断は付けられませんでした。
まとめ
今回は楽天VTとウェルスナビの比較をしました。
コストも含め運用成績は楽天VTが勝り、手間は引き分けという結果になりましたが、ウェルスナビも素晴らしいサービスだと思いますし、否定するものでもありません。
過去の実績はあくまでも一つの参考にしていただき、未来のことは誰にも分かりませんので、自分が信じられるものに投資を継続していけると素晴らしいですね。
自分自身が長期間安心して投資を続けられるものに投資をし、投資自体を辞めないことが最も大事なことだと考えています。
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