ネット証券会社で米国株手数料無料化の動き
先日もSBI証券や楽天証券から投資信託の購入時手数料無料化のリリースが出たばかりですが、米国株取引手数料を各社引き下げ対応に動いています。
DMM.com証券は既に12月9日から米国株取引手数料を売りの場合も含め無料化しました。この動きに追随し、ネット証券各社からも米国株取引手数料について様々な引き下げ発表がありました。今回はこの流れについてまとめたいと思います。
米国ETF9銘柄の買い付け手数料無料化
無料化と実質無料化の違い
VT、VTI、VOOといったポートフォリオのメインを張れる人気銘柄を含む、米国株ETF 9銘柄の買い付け手数料が無料化されています。注意点としては、DMM.com証券や楽天証券が米国株買い付け手数料を無料化しているのに対し、SBI証券とマネックス証券は実質無料化という点でしょうか。実質というのは、同額の外貨を後でキャッシュバックする対応らしいので、一旦は買い付け手数料が発生する仕組みとなります。
楽天証券はアプリの使い勝手が良く、ユーザーインターフェースも良いため、米国ETFを購入する際に選択する人が増えそうな印象です。実質ではなく本当に買い付け手数料無料という点も高評価です。ただ、米ドル購入時の為替手数料25銭という点がどうしてもSBI証券に見劣りしてしまうので、ここをもう一歩踏み込めたら一気にSBI証券から新規ユーザーを取り込める可能性があると思います。
SBI証券は年明け1月2日から実質無料化、楽天証券は1月6日から完全無料化、マネックス証券は1月2日から実質無料化とのことです。
米国高配当ETFは今回対象外
VYM、HDV、SPYDといった高配当ETFやBNDといった債券は今回の手数料無料化対象外とのことです。
私は楽天VTIへのインデックス投資を行っていますが、ポートフォリオのスパイスとして1割くらいなら高配当ETFに実験的に投資するのも良いかなと考えています。しかし、今回は手数料無料化の対象外となってしまった高配当ETFの手数料はやはりネックなので、まだ当分は高配当ETFへの投資は様子見となりそうです。
個人投資家の選択肢は広がる
今回の米国株取引手数料無料化や、投資信託の購入時手数料無料化の流れもあり、最近は個人投資家を取り巻く環境が一段と良くなってきていますね。米国ETFとS&P500指数に間接的に投資する投資信託も、ランニングコストの差も縮小してきていますし、個人投資家の選択肢は広がってきています。
長期投資をする上では、そのファンドの償還リスクも考え、20年くらい安心して投資し続けられるファンドを買いたいというニーズも確かに存在します。こういったことを好む投資家の方がバンガード社やブラックロック社の米国ETFに投資するハードルは確実に下がりました。
チャールズ・エリスが『敗者のゲーム』で述べている通り、投資の目的やリスク許容度を確認した上で、ブレずに長期投資を続けていきたいものです。
まとめ
ネット主要証券会社各社の米国株取引手数料の動向についてまとめてみました。この動向は今後も変わっていく可能性もありますので、引き続き注視していきたいと思います。
今回の米国株取引手数料無料化により、米国ETFへの投資ハードルは下がりました。自分の投資の目的やリスク許容度に応じて、自分が心から信じられるものに投資をしていきたいですね。
コメント