楽天VTIのような実質コストの低い投資信託がお勧め
投資を始めてみたいが、まず何をしたら良いか分からない方。それから、投資信託への投資を検討しているものの、どのような商品を選んだら良いのか基準が分からない方。こういった方向けに、お勧めしやすい低コストの投資信託について解説していきたいと思います。
楽天VTIやeMAXIS Slim S&P500など米国株インデックス投資を検討されている方の参考になりましたら幸いです。以下、私が考える低コスト投資信託の3つのメリットについてご紹介させていただきます。
楽天VTIは実質コストは低いが、高い分散効果あり
低コストの投資信託は、私の投資ポートフォリオの中でも多くの割合を占め、積み立てNISAやiDeCoの対象にも認定されています。ここでは、具体的にイメージがしやすいように、楽天VTと楽天VTIといった商品を例にお話させていただきます。
もちろん、上記の商品でなくとも、同じ様に低コストで広く世界や全米に投資可能な商品はありますので、そちらに置き換えて考えていただいても大丈夫です。
まず、楽天VTは全世界の時価総額を広くカバーする投資信託となっており、これ一本で全世界の企業に投資することが可能です。世界の経済が長期的に見て従来通り発展していくのであれば、世界全体に投資することによりその恩恵を享受することができるという仕組みとなります。楽天VTIは、投資の対象を全米としたものであり、楽天VTと比較すると投資対象の国は全米となりますので狭くなります。
では、なぜ全米に狭めてしまうのでしょうか?一見、全世界に投資する楽天VTがあるのに、わざわざ米国一国に投資対象を狭める理由が分からないかもしれません。しかし、これには明確な理由があります。
GAFAと言われる米国のITの巨人を始め、米国企業は全世界の時価総額の半分以上を占めており、安定して成長を続けていて、且つ株主への利益還元の姿勢が強く、法整備の整った米国へ投資するのが、近年では最もパフォーマンスが高い、という事実もあります。
このような理由から、全世界に投資し投資パフォーマンスを落とすのではなく、近年高成長が続く米国全体に投資する方が大きなリターン見込めると考える人も多く、米国への投資も人気があります。米国に広く投資する楽天VTIの投資対象としては、米国のほぼ全体の企業3,600社以上となります。
楽天VTや楽天VTIへ投資する場合、購入する際に証券会社に支払う買付け手数料についてはノーロードとなっており、売買手数料はなんと0円となります。また、投資信託は100円から投資可能であり、楽天VTIは米国ETFの本家VTIを単純に買い付けるだけ、というパッシブ運用の投資信託です。
過去の歴史を遡ると、上記のようなパッシブ運用のインデックスファンドの方が、ファンドマネージャーが運用に大きく関与するアクティブファンドよりも、歴史的に運用成績が良いという実績もあります。
ランニングコストの点についても比較をしてみますと、本家VTIの経費率については、今年5月に年率0.04%から0.03%に引き下げとなりました。そのため、楽天VTIも本家VTIの経費率引き下げを反映し、投資信託の信託報酬が年率0.15%と更に低コストとなりました。もちろん、本家VTIの維持コスト0.03%と比較すると、楽天VTIには割高感があります。
しかし、金融機関の窓口で主に販売されている投資信託は、信託報酬が1%を超えていたり、買い付け手数料がかかるものも多いのが現実です。楽天VTIの維持コストが年率0.15%程度というのは、実際かなりの低コストとなります。
しかも、楽天証券で運用すれば令和元年8月現在投資信託の残高10万円あたり4ポイントのポイント付与や、積み立てNISAや特定口座で50,000円/月まで楽天カードによるカード決済が可能であり、積み立て額の1%が楽天ポイントとして還元される点も長期投資を検討する場合魅力となります。
本家のVTIとは違い、投資信託である楽天VTIは配当金を出さず、本来は配当金に課税されるはずの配当金額×20%程の税金を繰り延べる効果もあります。この税金の繰り延べ効果は、長期運用の観点から考えると、配当金再投資の投資効率がかなり高まり、本家VTIを直接買い付けする場合と比較しても、ほとんど差がないとう検証結果も投資ブロガーさんのブログで良く目にするようになりました。
楽天VTIなら手間がかからない
物事を長く続ける場合、手間を省くというのは重要となります。楽天VTIは投資信託であるため、証券会社のログインページで一度積み立ての設定をしてしまえば、以降は定期的に買い付けを行うことが可能です。
給与指定口座など、定期的にお金が入ってくる口座を引き落とし口座に設定しておけば、途中解約による利益確定などを行わない場合、基本的に他にやすることがありません。逆にする事がないため、物足りなさから、他の投資手法を試してみたり、余計な事をしてしまい、結果的にトータルリターンが下がってしまう事に繋がる恐れもあります。
一方、本家VTIを直接買い付けするケ場合、日本円をドルに両替後、証券口座にドルを移し、指値注文する場合は、日本時間の23時頃にチャートを確認し、指値で約定させる等、手間は多くなります。手を掛けることで、投資に面白みを感じる方や、指値注文がしたい方、ドル建て資産を保有したい方には、本家VTIへの投資が好まれるケースもあります。
楽天VTIのみのポートフォリオはシンプル
投資ブログを拝見していると、投資好きな人は、様々な個別株やETFに投資をしていたりします。好みの問題もありますが、仮に将来受け取るリターンを最大化したい場合、色々考えて様々な個別株や様々なETFに投資したところで、S&P500やVTIを単純に積み上げていく投資の成績を上回るのは本当に難しいと思います。
S&P500の運用成績と比較し、そのリターンを上回ったか、というのが個別株投資家の一つのテーマですが、そもそもS&P500やVTIに投資していれば、平均点を取り続けることができるため、勝ち負けもないですし、繰り返しになりますが、アクティブファンドに投資している投資家の運用成績にも、ほぼ勝てるようになるため、投資に時間をかけたくない方には、非常にお勧めできる投資手法となります。
楽天VTI一本で、実質3,700社程のアメリカ企業に投資していることになるため、分散効果も十分ですし、アメリカが今後も世界経済を牽引し、成長してくと考えている方は、楽天VTI一本に投資し、後は放置というシンプルな運用方針も良いでしょう。
まとめ
楽天VTIへの投資は、一度設定してしまえば、それ以降は、面倒臭い手間もかからず、低コストでアメリカ全体へ分散投資が可能となります。しかも、色々考えて様々な個別株に投資している投資家の運用成績を上回るケースが多い点が魅力です。
ただ、景気後退局面では値下がりしますので、あくまでも10年以上の長期で資産運用できる方が投資対象となるります。
今回お話した、楽天VTIのようなインデックスファンドへの積み立て投資は、長期投資を前提としているため、短期間で成果を生むものではありません。これから本格的に投資を始めようという方の場合、まずはいつ・どのくらいの金額が必要で・どの位の運用期間を設定できるかを決めると長続きしやすいと思います。あくまでも自分が信じられる投資先に、余剰資金で投資を続けていきましょう。
楽天VTIへの投資については、一覧でまとめた記事を用意させていただきました。参考にしてもらえると嬉しいです。

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